マイクロ機構研究室

MEMS 技術を用いたマイクロアクチュエータの研究

教授 今井郷充

 

MEMS(Micro Electro MechanicalSystems)では、いろいろな形態のアクチュエータが使われますが、製作上の問題(製作しやすさ)であったり、スケール則等からくる効率であったりします。 MEMS といっても、機械、電気電子、物理、化学などいろいろな分野にかかわっています。実際に研究しているアクチュエータの主な特徴を言えば、「機能性材料やナノテク材料」の活用です。構造はシンプルなほうが良いので、構造を支えるためのある程度の強度のほか、何か機能を発揮できる特性も持っているほうが好都合です。私たちが使っている主な機能性材料は、例えば以下のようなものです。(機械的特性に優れた高分子材料(ポリイミド、パリレン)、電気的特性を持った高分子材料(導電性高分子材料、イオン液体:図1参照)、磁性材料(磁性流体、磁性薄膜、磁歪材料)、形状記憶材料(主に形状記憶ポリマー))また生物が構造において持つ機能をMEMS 技術で製作し、その機能を活用するバイオミメティクスの研究も行っています。この分野では、微小な液体を搬送する方法として、ハスの葉の表面構造(ロータス効果)をまねた流路デバイスの製作(化学分析やバイオ用:図2参照)や、リキッドマーブル(微小な液体を撥水性の微粒子で覆い球状の形態とした水滴にして移動させる方法)を研究しています。