人間工学研究室

人間感覚の工学への応用にかかわる研究

教授 松田礼

近年、工学の分野で感性の計測とその工学的な応用について研究されています。例えば、機械の開発・設計においては、機能的設計のほかに人間特性の導入が図られ、人間にとって快適な機械やシステムが構築されています。このように、人間の特性を理解し、機械との調和を見いだしていく、すなわち、人間と機械の関係を科学的に解明することを目的とした学問分野を人間工学といいます。人間工学研究室では、人間感覚の工学的応用における人間工学(Ergonomics)の諸問題をメインテーマとして研究を進めており、「音響工学」「計測工学」「振動工学」「感性工学」「生理・心理学」などがキーワードです。具体的な研究テーマとしては、自動車や電車の乗り心地評価への適用を目指した人間-機械系にかかわる音・振動環境の複合影響を調査する基礎研究、人間の可聴周波数以下の音波を含む低周波騒音が人体に及ぼす影響の解明と評価方法の確立を目指す研究などがあります。また、人間の生理・心理的感覚を考慮した自動車運転時における疲労の計測方法と安全運転モニタリングシステムの開発、ハイブリッド・電気自動車の低速走行時における歩行者への接近通報システムの構築を目指した自動車報知音のデザインに関する研究などを行っています。